Jindo Basketball 2 -Coaching Clinic2025を終えて-


このたび今年予定していたコーチングクリニックがめでたく終わった。

私の安全管理不足で怪我人も出してしまったのでしっかり反省して次に活かしたいと思います。



今回は反省ばかりなので今後の記録しとして残しておこうと思います。



① 運動従事時間の確保

練習をするときの課題に各々の「運動従事時間」をちゃんと確保されているかというのが大学で運動従事時間という言葉を学んでからずっと気にしていること。


いわゆる練習中の「プレイングタイム」は皆平等か。

特に育成世代は練習をぼーっと見ている時間をできるだけ削ってあげないといけない。

それゆえに順番待ちの練習は好きではない。

(シュートの練習はどうしてもゴールを占有するので、インディビジュアルなものは待ち時間が増える)


いかに子どもたちに暇する時間を与えないメニューを組むかというのがとても大事である。


「待ち時間をできる限り与えない」ことが練習を設計する上でいちばん最初に考えないといけない。

(安全にというのは前提なので言うまでもないが・・・)




② ゲーム性の確保


地味な練習は子どもたちはすぐに飽きてしまう。

目標を見える形で設計しないといけない。

それには「数字」目標にするか、見たらわかる「勝ち負け」を作るか、見れば一目でわかる「達成のビジュアライズ」をデザインするかである。子どもが直感的に理解できる達成目標をしっかり共有することが大切である(裏のコンセプトにコーチが選手に学んでほしいエッセンスをそこに仕込む)

見せかけだけのゲームに逃げないことが大切である。

「子どものできない」を「考えて協力すればできるようにする」ことを設計デザインに組み込む必要がある。


③ 準備と教材研究とマテリアルの開発


小道具が本当に大切である。

ドラえもんのように次から次へと出して、のび太の需要を満たすように、

子どもが触れたことのないような「初体験」を提供しないといけない。

その中にバスケットボールにおける大切なエッセンスをしっかり「仕込んで」忍ばせておく必要がある。子どもの興味関心を惹きつける「フック」になるもの、子どものスイッチを入れる「トリガー」になるものを事前に用意しておけると良い。


バスケットボールの技術はいきなり教えてできるようにはならない。特にIQ。

段階練習を行うときに、子どもたちが楽しめるように「子供騙し」の要素をこれでもかというぐらい詰め込んでおく必要がある。王道の練習では子どもたちの集中力は一瞬で切れてしまう。



④ 5感をどれだけ刺激できているか


ユースの育成において神経系をひたすら刺激しないといけない。

「聴覚」を使った(制限)練習をしているか?

「視覚」を使った(制限)練習をしているか?

「嗅覚」を使った(制限)練習をしているか?

「味覚」を使った(制限)練習をしているか?

「触覚」を使った(制限)練習をしているか?


ひたすら5感を刺激できると子どもの神経系はどんどん発達していく。

1つの感覚に対してもさまざまな種類や感情がそこに存在する。

それに対してどれだけ多種多様な刺激を入れてあげられるかを指導者は意識しないといけない。



⑤ 言語の壁をどう超えるか


言葉が通じれば簡単に教えられることを教えられないのが活動の醍醐味である。

言葉以外のコミュニケーションでどう勝負するか。

小道具を使うのか、AIを使うのか、動画を見せるのか、デモンストレーションするのか、

はたまた事前にしっかり言語を勉強しておくのか。


言葉が通じないということを活用しないといけない。

「この言語もできない外国人はなんと言っているんだろう。助けてやらないと。頑張って理解してやろう」と子どもたちに思わせるにはどう声掛けをすれば良いか。


モチベートの仕方、煽り方、信頼関係の取り方、パニッシュメントのタイミング、

強制的なコミュニケーション、どこまで介入するか、Overcoachingを我慢する、

タイムアウト(ディスカッション)の時間帯、など色々考慮してランゲージバリアーを減らしていく。


⑥ インドネシアのバスケットボールに足りないことは

「ディシプリン」「ファンダメンタル」「ディフェンス」「IQ」である。


オフェンスの 1on1に至ってはそこまで教える必要がないぐらい彼らは普段から本能的に技術を獲得している(相対的に突出しているという意味であり、もちろん技能的にはまだまだであるが・・・)


なので私の2年間の目標は 「1 on 1のオンボールオフェンス以外」のところを強化できればと思う。


そもそもバスケットボールのいちばん楽しいところはオフェンスでありシュートである。

(個人的にはそう思わないが、一般論ではきっとそうだろう)


なので子どもたちがいちばん頑張れるのもそこである。


私のコーチングフィロソフィーとして

「好きなことは自分で伸ばしてください。私はあなたができないこと、やりたくないことを教えます」というのがあるので、どちらかというと短所を最低水準まで修正する作業を意識している。


特に近代のNBAがもたらした弊害である、IQ低下のバスケットボールが好きではないので、

フィジカルにかまけるようなバスケットボールではなくて、

フィジカルが劣ったとしても知恵で挽回できるようなバスケットボールをできるようになってほしい。


何はともあれ大変こっちが勉強になったコーチングクリニック。

初心者に近いユースをあまり教える機会が今までなかったので本当に難しいことがよくわかった。


大人よりもはるかに子どもたちを教えることの方が難しいような気がしたので、

まだまだ勉強が必要だと感じた。


ひたすら教材研究が必要である。

できる限りその場に応じたテーラーメイド型のクリニックができるように

もっと引き出しを増やしたいと思います。
















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