GMR ② Defense -先出しじゃんけん-

「オフェンスはセンス、ディフェンスは努力」昔はこうよく言われていた。


しかし、最近わたしはこう思うようになった。


「オフェンスは後出しじゃんけん、ディフェンスは先出しじゃんけん」


オフェンスは先に自分の手を相手に見せておいて(フェイク動作)

相手のアクションを伺ってから、「後出し」で自分のアクションで相手を出し抜くというものである。つまり2回以上自分の手を変えることができる。(無論、早すぎる(1回目の選択)アクションのみで勝負することも状況に応じて可能である)

相手のリアクションによって自分の手をどんどん変えていくことが要求される。


一方で、ディフェンスは相手のアクションに対してリアクションしないといけないものではあるが、決定的に違うことは「時間軸が違う」ということである。

当たり前であるがバスケットボールはオフェンス優位なスポーツ(サッカーや野球と違ってオフェンスの方がシュート成功確率が高い≒点が入りやすい)なので、基本的にはディフェンスが勝てないスポーツである。


オフェンスが先手である以上、後手のディフェンスは勝てるわけがないのである。

もし、自分をディフェンスとオフェンスに分離できて、1on1したらどうなるか?

99%の人はオフェンスの自分が勝つだろう(例外にディフェンスの方が勝つ選手もいるが)


ディフェンスはつまり後出しジャンケンの勝負でオフェンスと勝負し続けては勝てないのである。なのでディフェンスはオフェンスより先に手を出す必要がある。


オフェンスは

アクション(フェイク含む)→リード(相手のリアクションを読む)→リアクション

に対して


ディフェンスが

リード(相手のしたいことを読む)→オフェンスより先にアクション(ディフェンスフェイク含む)→リアクション


オフェンスは自分のしたいことに対してフェイク等を駆使ししてディフェンスを騙すのに対して、

ディフェンスは相手にいちばんされたくないことに対してそれを阻むためにまずそれを潰す選択肢を優先する。


「ディフェンスが先に自分から手を出さなければ負ける」

これが大前提にあれば、ディフェンスは先出しじゃんけんになるのがわかるだろうか?

先出しじゃんけんの最たるものは「フェイスガード」であろう。

攻撃するという選択肢を削ぐ、オフェンスに参加する意志すら奪う「先出し」である。





昔からいつも思っていることが最近より顕著になってきた。

バスケットボールはオフェンスの方が人気がある。

世界中でアカデミーやミニバス教室でやっていることはだいたいオフェンスの練習である。

インディビジュアルトレーニングでディフェンスに特化しているコーチをほとんど見かけたことがない。巷の練習でフットワークの練習をしていても、それはディフェンスの練習ではない。オフェンスはヘジテーション1つとってもそんな細かい動作ひとつ一つに名前つけなくてもいいのでは?と思うような動作にさえ名前がついている。


それに比べて「ディフェンスヘジ」や「ディフェンスヒップターン」のように、

細かくディフェンスのアクションを細分化した動画はSNSにはほとんど出てこない。

99%SNSで出てくるのはオフェンスの動画である。


なぜだろう。もちろんオフェンスの動画の方が売れる(映えてViewが得られる)からなのは間違いないが、個人的にどう考えてもディフェンスの方がかっこいいと思っている。


オフェンスはフィジカルモンスターなら本能的に到達できる場所があるかもしれないが、


ディフェンスは本能ではなく知性でしか辿りつけない場所がある

(最後にブロックしてチャラにするフィジカルモンスターは除く)


オフェンスは「未来へより速く移動する力」力が求められて、

ディフェンスは「来るべく未来に備えてそれを予知して誰よりも先回りする力」を求められる。


フィジカルモンスターか賢者どちらになりたいか。


そもそも日本人やアジア人がフィジカルモンスターになるのは簡単なことではない。

なので私は早々にフィジカルモンスターになることは諦めた。


子どもはみななぜかフィジカルモンスターになることを憧れる。

SNSなどの情報のそのほとんどはフィジカルモンスターの教科書しか転がってないからである。


ディフェンスの楽しさを教えらえる指導者は世界に一体どれほどいるのだろうか。


ディフェンスを細分化できるスキルコーチはどれほどいるのだろうか?


ということで少しずつディフェンスについてもこれから色々書いていければと思う。


まとめ


ディフェンスは


① 未来を予知して

② 事前にオフェンスの選択を奪う、あるいはオフェンスの選択を(TOへ)誘導する

③その際に必要なのは未来予測する「読み」とその読みタイムラグなく身体を反応させることのできる反射神経および反応速度を日々のトレーニングで積んでおくことである









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