Indo Monolog ⑧ 1ヶ月経過して
2025の10/22に任期に来て、ちょうど11/22で1ヶ月が経ちました。
あっという間の1ヶ月で、
これをあと22回繰り返したらもー終わりかと思うと
本当にあっという間すぎて、
もー勝手にカウントダウンがはじまって、
もっと彼らといれる時間を大切にしないと行けないなと改めて実感した。
この1ヶ月にオフなどなく毎日毎日充実して、
部屋が日に日に荒れていく。
こちらの生活にも慣れてきて
顔馴染みの店ができて
体育館のカフェに行けば主がいつもコーヒーを淹れてくれる。
「飯はもー食べたんか? まだなら食べにいくぞ」と
いつも誘ってくれるバスケ仲間がいる。
気づけば1日に3-4回バスケに誘われ、
暑すぎて3-4回汗だくになり
3-4回シャワーを浴びて
3-4回着替えて服が全く足りない。
洗濯機で洗濯したら、
物干しタワーが一瞬で壊れて
洗濯物が地面に散乱して
「この感じ本当に懐かしいな」と久しぶりの途上国ライフを思い出してきた。
私が途上国が好きな理由の1つに
「家族にしてくれる」というのがある。
得体の知れないろくに現地語も話せない日本人。
体育館に住んでいてなおのこと何しているかわからない日本人。
それでも彼らはたった1ヶ月で当たり前のように自分を受け入れてくれて
当たり前のようにコーヒーを淹れてくれて
ご飯に誘ってくれて
いつものように話しかけてくれる。
訓練中の2ヶ月では話しかけられることなどほぼ皆無でも、
ここにくると毎日のようにみんなが話しかけてくれる。
私が言語をできないとわかっているにも関わらず
彼らはそんなことを何も気にしない。
ただただ「家族」として
ただただ「バスケットボールファミリー」として
受け入れてくれている。
最初の3ヶ月はもしかしたら他の同期にとっては大変な3ヶ月かもしれないけど、
私にとってこの最初の3ヶ月は2年間の中で2番目に大切な3ヶ月である。
(もちろん1番大切なのは任期最後の3ヶ月)
言語が通じない中、自分が必死に彼らと家族になりにいかないといけない3ヶ月。
彼らが必死にいろんなことを教えてくれて、説明してくれて、
それでもわからないことだらけで、時間とともに謎が解けていく最初の3ヶ月。
いちばん自分が、自分からコミュニケーションをとりに行かないといけない
「途上国資質」が問われる3ヶ月。
言語が何となくわかって、彼らと何となくコミュニケーションが取れるようになると、
新しい発見がどんどん少なくなって惰性で活動していくと成長しなくなるので、
「わからないことをわからないと言って聞いてわかろうとする力」はここでいちばん伸びるはず。
途上国の人は本当に優しい。
東京で道を聞いても無視されることはザラでも、
こっちは困ってる人を助けたがる大阪のおばちゃんのように助けてくれる。
こちらが質問さえすれば丁寧にわざと喋るスピードを落として
時には英語やAIの力で教えてくれる。
「家族になるための3ヶ月」
もー私より先に出国してすでに3ヶ月たった同期はきっと「家族」になってることでしょう。
私はとりあえずあと2ヶ月あるので引き続き「家族になる時間」を、
家族になるプロセスを楽しんで行きたいと思う。
すでに家族になっている人のSNSを見るのは本当に楽しい。
同期のSNSを見ていると、
本当に良く人柄が出ているなといつも思う。
現地の人に愛されているのを見て、「訓練中からそうだったな」と改めてそれが確信に変わる。
ひとつ「家族になれた」かどうかの私の指標がある。
それは名前を呼んでもらえるようになったかどうか。
先生やコーチではなく、
ファーストネーム(ニックネーム)で呼ばれたかどうか。
2年間で何回ファーストネームで呼ばれたかどうかがきっとその人の「家族力」の資質なんだと思う。
よかったら今度1日何回呼ばれたか数えてみてください。私は余裕で50回は超えます。
家族は敬語など使わない(使っている由緒正しい家柄の家は除く)
沈黙が続いても何も気にしない(家族は四六時中話さないから)
いきなり話しかけられたり
いきなり連絡が急に飛んできたり
いきなり家に遊びに来たり
時には口論することもあるかもしれない。
それでも彼らは出会って1ヶ月しか経っていない自分を
家族と認めてくれている。
1日何十回も私の名前を呼んでくれる。
この感覚を形容することがなかなか日本語では難しいのだけど、
彼らは本当に「気持ちいい」人たちである。
この気持ちよさはなかなか日本では感じることができない感覚である。
だからこそまだ始まったばかり任期でも、
その全てが愛おしく感じて、
毎日毎日そのコミュニケーションを大切にしていきたいと思う。
ようやく活動が始まって2ヶ月目が始まる。
もーお客様の1ヶ月は終わり。
これからは私が何かを「差し出す」期間でありたい。
彼らに2年間で何を残すことができるのか。
言い訳など何もできないし、したくもない。
この2年間の全部をインドネシアに置いて帰りたい。
2年じゃ何も足りないから。
途上国での資質は
① 異文化を「おもしろい」と楽しめるかどうか。
② 困難を自分の成長のための課題に変えられるか。
③ 日本のプライドなど捨てて彼らをリスペクトできるかどうか。
④ 言語もできない日本人を受け入れてくれていることに感謝できるかどうか。
⑤ 日本の何か「を」押し付けるのではなく、
日本の何か「で」彼らの限界値を押し上げられるかどうか。
国際協力の主役は私たちではない。
それでも私たちは彼らが主役になる手助けができる。
誰もお膳立てなどしてくれない。
お膳立てしても余裕でちゃぶ台ひっくり返されることもあるかもしれない。
それでもあなたが望んだ道ならば、
帰国するその瞬間までコミュニケーションをとり続けましょう。
成果はそこにいる2年間ではなくて、
自分が帰国した後で、
何回任地で聴こえもしない自分の名前を呼んでもらえるかどうか。
「ちょうどおまえの話をしてたんだ」と
いきなり日本にメッセージを送ってきてくるかどうか。
記録よりも誰かの記憶に残るほうが幸せなんじゃないかと最近よく思う。
さて、明日から少しギアを変えて日本人を捨てていく作業に入りましょう。
ウォーミングアップは終わったので、アクセルを踏んでいきましょう。
家族にしてくれてほんとうにありがとう。
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