Indo Monolog ⑤ -言語の壁の越え方-


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言語の壁の正体は前述したが、

備忘録も踏まえてその越え方を書いておきたいと思う。


基本的に現地語でも英語でも考え方は変わらないだろう。


① 言葉のシャワーを浴びること


TVをつけっぱなしにしても良い。

ラジオをBGMがわりにつけても良い。

Youtubeで現地語解説してくれている動画でも良い。


ただひたすらシャワーを浴びる時間と量をまず増やす。


目安は夢の中で日本語以外の言語が出てくるまでである。

日本語しか夢に出てこないうちはまだシャワーは足りない。



② 単語帳を必ず作る


これはノートに1つずつ書いて増やしていく作業である。

自分だけのオリジナルの単語帳である。

必ず生活の中で「これは必要だ」と思ったものは必ずメモして、

2年間貯めていく。手書きでもデジタルでもなんでも良い。

大事なのは、その場で即記録することである。あとでいいかは200%忘れる。

1日1単語で良い。1ヶ月で30単語。10ヶ月で300単語。

生活するのに単語の数は2年もあれば十分足りるだろう。


単語帳を必ず毎日1回でいいので見返す作業を行なって、記憶に定着させる。

なんなら生活の中で一度使ってみると覚えやすく、

毎回、現地の人に発音が通じるか試してみるのが良い。のが良い。

現地の人は発音が悪くても理解してくれるが、

必ずリピートして、発音が合ってるか確認してもらうこと。

ネイティブの発音で1-2回発音してもらってシャドーイングすること。

「学ぶ」の語源は「真似る」であることを忘れてはないけない。


あなたが必要だと思って増やしていった単語帳は必ず自分の財産になる。

積み重ねた軌跡を実感しながら、自己肯定していく作業である。

覚えた単語は即実践して通じるか試してみる。


ちなみに私は助手に

「コーヒーを飲みたいですか?帰りに買ってきますよ」と言われたが、


「下のカフェでコーヒー飲みますか?」と間違って理解して

コミュニケーションエラーが起きた。


買ってくる= bawa

下=bawah


スペルが一文字。しかもこのhの発音はほとんど発音しない。


このようにして類似語をまとめて覚えるのも望ましい。


もし、可能なら単語帳はビジュアライズ(色をつけたりイラストつけたり)するのがなお良き。人は記憶(イメージ)で単語を覚えるのが定着しやすい(歌で日本史年表覚えるような)



③ 文脈とネイティブの言い回し


雑談こそがいちばん言語習得に大事だが、何を言ってるか訳のわからない時ほど集中できなくなって、漫然と聞いていると全く役に立たない。

なので、必要なのは「1つの単語だけで良い」ので、文章の中で1つだけ知ってる単語を聞き取ることである。文章の意味など分からなくていい。というかわかる訳ない。

1つだけ聞き取れたら、少しずつコンテキストが入ってくるケースがある。

Whatsappのグループでバスケの練習の話をしているかと思ったら、

「来週の大会に備えて明日みんなで散髪をしにいこう!!」というコンテキストだった。


「散髪」という単語だけ理解できたら、他の単語や文章が聞き取れなくても、

「来週に大会がある」、「みんなで一緒にしよう」という推測が仮説がたてられる。

あとはその単語が本当に合ってるか辞書やAIで引けば確信に変わる。


ひとつだけでいい。文章の中に1つだけ知っているはずの単語を聞き取るトレーニングを集中してみること。聞き取るためにはすでにその単語を知っていないといけないので、単語帳を増やしていく。知らなくても何回も「同じ音」を聞き取れるようになったらそれは次は「どういう意味?いつも使ってるこの単語?」と聞くと教えてもらえるようになる。


言語によるが、文頭には同じフレーズがきやすい。


Tapi, kalau〜「しかし、もし〜ならば・・・」

今日の練習で監督が頻繁に使っていたフレーズである。

監督の口癖かもしれないし、バスケの指導柄よく使うフレーズでもある。


「コミュニケーションを取らなくてもバスケはできる。しかし、もしコミュニケーションを取らなかったら、どうやって味方に自分の意思を伝えるの?」


必ず職種柄使うフレーズは必ず連発される。

なので、2回以上聞こえてきたそのフレーズは必ず自分が使える役にたつフレーズである。

その時は遠慮なくパクらせてもらおう。


単語帳と同じようにIdiom帳も作ると良い。

文法的に正しいかどうかなどどうでも良い。

大事なのはネイティブが何回も使っているという事実である。

音で覚える。スペルなど覚えなくても、なんとなく雰囲気だけ真似れば、

あとはネイティブの人たちが勝手に理解してくれる。

LとRなど最初は気にしなくていい。

頭でこう言おうではなく、勝手に口が先走るぐらいまで何回も会話の中で使うと良い。



④インプットの時間を忘れない。


必ず文法書を読む。もしくはAIに一つでいいので文法解説してもらう。

あるいはYoutuberにわかりやすく解説してもらう。


大切なのは「日本語で学ぶ」ということである。

現地語を現地語で理解などできるわけがない。

それができたら現地語はすでに理解できている。

今の時代はネットにいくらでも情報は落ちている。

必ず腑に落ちる形で理解できないと、シャワーが気持ちよく感じることもないだろう。

気持ちよくシャワーを浴びるためには、お湯を溜めたり、シャンプーやコンディショナーをしっかり用意することである。


分からない状況や単語はメモしておいて、

先輩方に聞くのがいいだろう。間違いなく先を行ってる人たちはすでにそれを経験してるので、遠慮なく教えてもらうのが正解。間違いなく文法フェチの先輩はいるはずで、喜んで解説してくれるはずである。言語ができる先輩ほど苦労している先輩だから面倒見がいいのもあるあるである。たまには先輩と現地語で話してみるのもいいだろう。


⑤ 自分が現地語を話せることを現地の人に開示する


体育館での生活が1週間を過ぎて、

少しずつ私もいろんなバスケ好きの人に認知されるようになってきた。

営業スマイルが苦手な私だが、微笑むのはインドネシアの挨拶なのでなんとか努力したい。


そんな時に「インドネシア語話せんの?」とよく聞かれることがある。


そう気づいたと思うが、現地の人は日本人が現地語を話せるとなんて思ってないのである。

日本に外国人が来ても私たちだって彼らがまさか話せるとは思っていないだろう。


私は「インドネシア語話せるの?」と聞かれたら決まって、


「話せません」とインドネシア語で返すようにしている。


そうすると

「またまた。それはインドネシア語だよね?」

「返事できてる時点で理解できてるよね?」

と笑いをとることができる。


もちろん「喋れるよ」と答えてもいいのが、

そこは自己肯定感の低い日本人の国民性なので仕方ない。


大事なのは

「話せません」と言った次の文章である。


「話せません。でも今必死に勉強中だから色々教えてくれよ」


「話せません。なので恋人募集中です。誰か紹介してください」


「話せません。でも、この2年間で話せるようになってみせます。楽しみに待っておいてください」


「話せないけど、バスケはできるから今度一緒にしよう」


「話せないから、なんか日本語話してくれない?」


「話せないので英語でお願いしても良い?」


「話せないから、どうやったら上手くなれる?なんかコツとかアドバイスない?」


とその次の会話文を用意しておくことである。

特にアドバイスを乞うとみな親身に助けてくれる。


誰だって、自国の言語を勉強しようとしてくれる人を馬鹿にしたりはしない。


「じゃあ週末うちに飯食いにこいよ。みんなで教えてやる」


なんて言われた日には儲けものである。


そこに飛びこむために、チャンスを自分で作るだけの1文と少しの勇気だけで良いのである。




⑤ コミュニケーションの正体

「コミュニケーションをどう取ればいいかわからない」


よくそんなことを悩む日本人が多い。


答えはシンプルで、


「言語の壁に困ってるから、助けてくれ」


この1文を意訳して上記のようにパラフレーズするだけで良いのである。


現地語なんか全て未知との遭遇で、

1回聞いただけで全てを理解して解決できるのはきっと江戸川コナン君だけである。


どちらかというと私たちは未来少年コナンを目指すべきだろう。

(高度な未来文明のAIがあったとしても)アナログなオフラインコミュニケーションを大切にすることが望ましい。


Bafa Bafaにもあったように、


相手のクセを理解するのは、同じシチュエーションを繰り返した時である。

現地の人も「日本」という未知の文化を私たちを介して遭遇している。


私たちが日々のルーティンを繰り返すことで、

彼らも「あぁ日本人ってこういうことなんだ」とわかってくれる。


今日はいつものように私が油を売りに行ったら、体育館の管理人がコーヒーをいつものように淹れてくれた。


「砂糖はどうする?」




初回は私が頼んだので砂糖を淹れてくれた。

それからいつも砂糖を淹れてくれるようなったけど、

「疲れてる時は甘いのが飲みたいけど、普段はブラックでお願いしてもいい?」

と伝えたことで、今日のコーヒーはブラックにしてくれた。


インドネシアの飲み物はなんでも砂糖をぶち込むので、

苦い抹茶がこちらでは人気を博していたりする。


彼らだって日本に住んだこともないし、日本語の勉強もしたことないので、

日本など動画の中の世界で、わかりっこないのである。



コミュニケーションは言葉の交換だけが全てではない。


なんでもいいので「文化を交換する作業」である。


大阪のおばはんは「飴ちゃん」を配る。

飴玉は重要ではない。そのホスピタリティを飴玉を触媒にして大阪の文化として伝えているだけである。


近所の子供に引っ越しの挨拶も兼ねてダイソーのお土産を配った。

その日からいつも挨拶をしてくれるようになった。

お土産を媒介にして「日本人がここに2年間住むこと」を伝えただけである。


「自分のことを知ってもらう作業」


その全てはきっとコミュニケーションになるはずである。


彼らは日本人を間違いなく知ろうとしてくれているはずである。


「なんでわざわざこんなとこに来たん?」そう思わずにはいられないだろう。


どうすれば自分のことを知ってもらえるか?


人見知りなら、コミュ症なら、自己開示が苦手なら、


どうすれば自分の存在に気づいてもらえるか?


手段など問題ではなく、どんなやり方でもいいのである。


私は極度の人見知りなので、自己開示苦手なので、NTCでも「変な人」で終わってしまった。

(と事後報告をたくさんの人から受けた)


なので、今回は自己開示しなくても大丈夫なように「住居開示」することにした。


面白がってみなこれからどんどん挨拶してくれるようになるだろう。


「自分を伝える作業」のおまけに現地語がついてくるのである。


しかしながら、自分を伝えるのに言語など最終的にはいらないだろう。


言葉が通じなくても人間性や人柄などいくらでも通じる。

少なくとも私は「変な人」とNTCでは通じたのだから。

(ごく数人が私のその「変な正体」に気づいていたのでその人たちはその人たちはコナン君である。あっぱれ)



ということで「言語の壁」はコミュニケーションでよじ登ることができる。


よじ登れないとするならば、まだそれは武器が足りない。


ポンコツすら武器になることをまだあなたは知らない。


「ポンコツなんだからもっと愛してよ!!」


それぐらい現地の人に頼れば良い。


ホームシックになる多くの人は


現地で言葉が通じない恐怖で、


現地のみんなの輪に入るのに躊躇して、家で引きこもってしまうことである。



言葉が通じなくてもコナン君はきっと観察するだろう。


文化を理解しようと努力すればいいのである。


コンテキストさえわかれば、言語は後からついてくる。



江戸川コナン君のように常に現場を観察して、


未来少年コナン君のようにどんどんアドベンチャーにチャレンジしていくだけで、


言語の壁など知らないうちに壊れていることに気づいていくはずです。



Bafa Bafaははなぜ楽しかったか?


相手の気持ちを理解することができたから、

もっと相手をわかろうとしたから、

そのさきにコミュニケーションを取ることができたから、

楽しかったはずである。



「2年間異文化を交換し続けることが醍醐味」であるならば、


1日1つなんでも良いので交換してください。

お土産一つでも、日本料理のおすそ訳でも、日本の歌を披露でもなんでもいいだろう。



相手をわかろうとする気持ちと同じぐらい、


相手にわかってもらいたいと思う気持ちとそのノウハウもきっと大切である。



いつでも「もし相手が自分の立場だったら?」を考えよう。


そして「もしどんな自己開示をしてもらったら自分がだったら関わりやすくなるだろうか?」


何か自己紹介がわりになるような、そんな魔法のような名刺代わりの何かを1枚作っておくと良いだろう。手紙でも、SNSでも、動画でもなんでも。


例えば、あなたのことをより興味が沸くようになる何かそんな一枚を。


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